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ぺらぺらうかうか堂(フィギュアスケート&本&タイドラマ等&雑記)


本をぺらぺら読むのが一番の幸せ。フィギュアスケートやタイ・中国などのアジアドラア、生活雑記もあり。
by さとこ タルコフスカヤ
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ブーリン家の姉妹2『愛憎の王冠』(フィリッパ・グレゴリー) 不器用さゆえのブラッディ・メアリー

ブーリン家の姉妹2『愛憎の王冠』(フィリッパ・グレゴリー) 不器用さゆえのブラッディ・メアリー_e0337786_20375437.jpg

 『ブーリン家の姉妹』は二冊でひとつの話になっていて、全部で4話、合計8冊ある。これは2話で、1550年代あたりの゛ブラッディ・メアリー゛と呼ばれたメアリー1世が中心に描かれている。

 上巻は不穏な話で始まる。しんどい話か…と思ったが、予知能力があるユダヤ人少女ハンナが出てきて、物語は、勢いと健全さを帯びる。話の中心はヘンリー王の最初の妃の娘のメアリーと、二番目の妃アン・ブーリンの娘のエリザベスの、宗教と男性をめぐる葛藤だ。

 真面目で素朴なメアリー。計算高く、不都合なことにはのらりくらりと時間をかせいで周りを困らせ、男性を惑わして利用するエリザベス。不器用なメアリーのほうが国政をうまく操れずに、たくさんの人を火あぶりにするブラッディ・メアリーへと変貌してしまう。
 ハンナは、ユダヤ人の伝統を守る婚約者ダニエルとの結婚を望みながらも、貴族のロバート・ダドリーにひかれ、ロバートのためにスパイ活動もする。
 このロバートがすべての女性が夢中になってしまうような地位とフェロモンあふれる人のようで、フィギュアスケータ-では、高橋大輔とか、ステファン・ランビエールのような雰囲気だろうか…。浅田真央さんとルーブル美術館に行ったハンコ王子のような容姿の人だろうか。

 真剣に読んだのは、本の話だ。宗教弾圧の中での書物の持つ意味の大きさを知る。本は重要な思想を後世に伝える役割をする。本が失われたら、思想も失われてしまう。命をかけて本を守ろうとするハンナの父親の仕事は尊敬に値する。


ブーリン家の姉妹2『愛憎の王冠』(フィリッパ・グレゴリー) 不器用さゆえのブラッディ・メアリー_e0337786_20373185.jpg

 下巻でのまさかの展開は、ダニエルのこと。唯一、まともな人だと思っていたが、完全にそうではなかった。昔はそういうものなのかと驚く。

 メアリーは真心の人で、エリザベスは計算高く自分を中心に世界を回す。女王は結婚相手を愛しているようでは、国はおさめられない。心から配偶者を愛するのは自分ではなくて相手の方で、自分は政略で結婚するくらいでないと、国はおさめられない。人間的には問題だらけで、サイコパス的なエリザベスが、将来的にはうまく国をおさめるのかもと思わせるのだか、そのあたりは説得力がある。ハンナも合理的なところがあり、ロバートも合理的。

 感想としては違うかもしれないが、困難にであったときのやり過ごしかたを学んだ。困難を生き延びるコツはたぶん、いい意味での計算高さを持ち、臨機応変に考えて行動することだ…。浅田真央さんは、恋愛に関しては、どちらかというなら、いい意味でのエリザベスのように、強く自由に、生き延びてほしい。



by tarukosatoko | 2017-10-17 09:05 | | Comments(0)
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