『居酒屋ぼったくり』(秋川滝美著) お酒とあう、手軽な酒の肴の幸せ
2016年 02月 27日

「ぼったくり」という題名のインパクトにひかれて読んだのだが、さっそく、日本酒をあれこれ試してみたくなった。
「誰でも買えるような酒や、どこの家庭でも出てくるような料理で金を取るうちの店は、もうそれだけでぼったくりだ」とつぶやくのが常だった店主に、常連客が「もういっそ店名を『ぼったくり』にしてしまえ、それなら看板に偽りなしであんたも気が楽だろう」と言い出した。それで、その居酒屋は〝ぼったくり〟という名前になった。そのお店が舞台だ。
2代目店主は、1代目店主の娘で、妹とともに、居酒屋を切り盛りしている。店は、住民の誰もが顔見知りのような、昔からのこじんまりした町の商店街にある。
常連客が寄っているような居酒屋に行く習慣がないのだが、小さな事件の数々を読んでいると、とても楽しそうだ。そのうちの1人が5匹の生まれたての捨て猫を拾ってくるところは、猫がかわいらしくて、かわいらしくて。主人公の美音とのかけあいがおもしろい要さんという人が、どんな人なのか、2巻も読みたくなる。すでに4巻まで出版されているようだ。
出てくるお酒や食材はほとんどがスーパーで買えるような身近なものばかり。幻のお酒や珍味が出て来たりはしない。本を読んだらすぐに試せるところがこの本のいいところだ。
酒の肴だと…たくさんあるが、簡単なものを抜き出す。
卵黄の味噌漬け→卵を卵黄と白身に分けて、味噌の中に卵黄を入れておく。黄身は数日でオレンジ色が濃くなり、箸でもつまめるほどになる。お酒にはもちろん、ご飯にもぴったりだとのこと。これに似たものが『みおつくし料理帖』にも出てきた。
スペシャル茶漬け→熱々のご飯に、焼いてほぐした塩鮭を散らし、その上に自家製のしょっぱい梅干しを刻んだものと、もみほぐした海苔をふんだんに載せ、茶碗のふちにわさびを添えて、最後に熱々の出汁をかける。
揚げ鶏胸肉と大根おろし→鶏胸肉を一口大に切り、片栗粉をまぶして揚げ、大根おろしと刻んだ梅干しを混ぜて、揚げたての肉に載せ、大葉の千切りを散らし、しょうゆをかける。大根おろしの冷たさで、ほどよい熱さで食べられる。
かなり普通だが、まちがいなく、おいしいものばかり。他に、豆腐を揚げたり、アジの南蛮漬けなどたくさん出てくる。
お酒はいろいろ。
ラドラー(〝自転車乗り〟の意味)→お酒が弱い人に。大きめのグラスにビールを3分の一注ぎ、残りをジュース(レモンソーダ)で満たす。サイクリングの途中でのどの渇いた人がごくごく飲めるように考えられた飲み物で、苦味と甘味が両立していて、おいしく飲める。
軽くて甘い白ワイン(Night Musicという名前のワイン)には、カマンベールチーズを生ハムと大葉で巻いたものがおいしい。
おでんと一緒に、諏訪泉(特別純米)。冷酒グラスで。
雨にぬれて体が冷えたら、新潟の名酒、吉乃川(厳選辛口)を熱燗で。
どんな温度でもおいしく、どんな料理にもあうのが、新潟の朝日山百寿盃。
真夏に冷蔵庫でひやしてから飲むのは、白瀧酒造の上善如水。日本酒ビギナーにうってつけの癖のない味。梅錦の風神は絶妙な後味の甘口。
最近、純米吟醸、大吟醸酒が好きで、ワインのようなフルーティーさがあって、週末の家の楽しみになっている。人と居酒屋に行くととても楽しいが、積極的に居酒屋にはいかない。ぼったくられるような気がするからだ……(この本のように、がんばっている居酒屋がたくさんあるのだと思うが)。
おいしそう!
私も 日本酒 美味しいと思います。11月に蔵元まで行って新酒とか買いに行きました。
あとは アテですよ。も少し研究しなくちゃいけないのは~~といつも反省してるんです。
やっぱ 「家飲み」から考えたら外で飲むのは「ぼったくり」かも。しかし、たまには外もいいもんですよね。
アテはいつも適当…ちょっと手間をかけたら、いい感じになるんでしょうねー。大根をおろして梅肉を混ぜるとか(これはおいしいです❤)。
居酒屋は家で飲むもの作るものと同じようなものが多いから、「ぼったくり」な感じがするのですね。その分、おいしくなるヒントもいっぱいありますがね。

