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ぺらぺらうかうか堂(フィギュアスケート&本&タイドラマ等&雑記)


本をぺらぺら読むのが一番の幸せ。フィギュアスケートやタイ・中国などのアジアドラア、生活雑記もあり。
by さとこ タルコフスカヤ
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『白鳥の湖(バレエ名作集)』(谷村まち子・文) 王子様ものの限界を思いつつ…

『白鳥の湖(バレエ名作集)』(谷村まち子・文) 王子様ものの限界を思いつつ…_e0337786_17411044.jpg
 鈴木明子さんの「白鳥の湖」の動画で宮本賢二さんの解説を聞いているうちに、「白鳥の湖」がどんな結末になるのかを知らないことに気が付いた。家にあった子供用のポプラ社文庫を読み直してみた。この本には、「白鳥の湖」、「ジゼル」、「コッペリア」、「ペトリューシュカ」、「火の鳥」、「眠れる森の美女」、「くるみ割り人形」の話が収録されていて、「白鳥の湖」はわずか28ページしかなかった!

 そもそもの「白鳥の湖」はピョートル・チャイコフスキーによって作曲されたバレエ音楽とその作品で、「眠れる森の美女」「くるみ割り人形」とともに、3大バレエとされている。1877年モスクワ・ボリショイ劇場で初演、1895年サンクトペテルブルグ・マリインスキー劇場、日本での初演は1946年、帝国劇場での東京バレエ団によるものだった。

 物語はドイツの作家ヨハン・カール・アウグスト・ムゼーウスの童話『奪われたヴェール』がもとになっている。ロシアでつくられた作品だが、舞台はドイツだ。

 オデットが花畑で遊んでいると、悪魔のロットバルトが現れて、オデットを白鳥に変えてしまう。ある日のこと、白鳥が住む湖に狩りに来ていたジークフリート王子は、人間の姿をしたオデットに出会い、恋に落ちる。
 ポプラ社の本によると、
「わたくしは、もとはある国の王女でオデットともうします。悪い魔法使いのために、白鳥の姿に変えられてしまったのです」「わたくしと、わたくしの侍女たちは、夜明けから明け方までのほんの短い時間だけ、こうして人間の姿に戻れるのですが、夜明けとともにまた白鳥の姿にもどって、飛んでいかねばならない運命なのです」

 そこで、王子様が「なにか、その魔法をとく方法はないのですか?」と尋ねると、
「それは、強い愛の力によるほかはないのです。そのかたが、わたくしを愛して、結婚するとちかってくださるほかには…」
 そして、王宮での舞踏会、オデットになりすました悪魔の娘オディールが現れて、オデットだと思い込んだ王子は、オディールを花嫁に選んでしまう。そして…。

 結末としては、来世で結ばれるものがオリジナルで、現世で幸せになるものがのちに出てきたほかに、オデットが王子をあきらめて立ち去るというような、ドライなものもあるらしい。たしかに、今の自分が白鳥だったら、王子と幸せになることはできなくなったのだから、仕方がないことなので、死んでしまうよりは、王子をあきらめて、新しい王子をさがすかもしれない…。


 結婚相手をさがす王子様、悪い魔法使い、悪い魔法使いに姿を変えられる少女などなど、お決まりの設定が、世界にはなんと多いことだろう。王子様と結婚してめでたしめでたしという話に、自分も親しんで、心を満たされながら育ってきたものだが、今となると、「めでたしめでたし」ということはないわけではないが、ほかの心配事がでてくるなどして続かないものだ。この手の昔話は、結婚以降の女性の心を強くするような、フォローがない。

 中年や高齢者になったような人までを励まし続ける昔話というのは、あるのだろうか…。昔話が必要なのは子供だけで、成人したらファンタジーなどを読まずに、自力で生きていくということなのだろうけれど。
 あるいは、人の寿命が今のように長くないので、「めでたしめでたし」の次の展開が来る前に寿命がつきることも多かったのだろうか。

 そんなことを思ったりするが、ともあれ、『白鳥の湖』のオデットと王子の心情を思いながら、バレエの「白鳥の湖」を見たいと思う。

本・読書




by tarukosatoko | 2016-07-01 18:26 | | Comments(2)
Commented by mo8_a29 at 2016-07-01 21:07
tarukosatokoさん
確かに お姫様と王子様が出てくるお話は あんまり中高年の方とか向けでは無いですね!・・・笑
すみません…ちょっとその行は笑ってしまいました。感動もする『白鳥の湖』。熊川哲也さんの主催するバレエ団ではオデット姫は死んでしまいますね。そういう場面を見ると 自分の立場も顧みず とても感情移入してしまったり(・・;)感傷的になって…そうそうウットリするわけです。
中高年の現実は厳しいのですが(^o^)v
Commented by tarukosatoko at 2016-07-03 13:37
> mo8_a29さん
そうなんです(^◇^)、子供時代は王子様的な人と結婚するとかが、最高の幸せみたいなところが…、(うーん、そういうのはなかったですがね)そういう流れが漫画でもありましたが、いろいろと面倒をクリアしていくような深い人生は、30歳以降に始まるというのを感じますよ('◇')ゞ

熊川さんのバレエ団では、オデット姫がなくなってしまうのですか…。
「感情移入して感傷的になる」のは中高年にはすてきなことで、そういうことで、元気になるもんですね~!
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