室生寺(奈良県宇陀市) 山深い祈りの地 まじで大変だった先人たちを思う

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 奈良県宇陀郡の室生寺は、山深い不便な場所にあるからなのか、派手なところもないからなのか、外国人観光客がほぼいなかった。シャクナゲがきれいなことで有名なお寺だ。シャクナゲはまだつぼみが多かったが、清浄な気配漂う境内の急な石段を登っていると、何か大事なことを思い出したような、なつかしい気持ちになった。

 このお寺の仏像は、どれもとても豊かな表情をしているように感じた。中心の仏像の前に少し小さめの仏像が12並んでいたのだが、いろいろなポーズをとっていて、まるでまるで、フィギュアスケーターたちが並んでいるような、みごとな躍動感があった。
 堂内の仏像の撮影は禁止なので、ホームページのリンクを。





 そして、参道の傍らに並ぶ、小さな石仏が、表情が豊かで、親しみを感じた。

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目を閉じて、無駄な力が入っていない、穏やかな様子



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耳が長い、含み笑い



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これは…何か渋いものでも食べてしまったかのような…



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マイペースにゆったりと



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むむむ…



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達観しているご様子で、手がいっぱい


 この石仏を通り過ぎて、まだまだ行くと、目の前に「もう、上に行くのはやめて、帰ろうかな…」と思うような大量の石段が現れる。汗をかいて、かなりがんばって登ると、奥の院に到着する。

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 奥の院は、ちょうど清水寺のようなやぐらに木材を組んだ上に建っていて、下のほうを見渡すことができる。汗をかいたので、ひんやりした風が心地いい。最高に気持ちがいい。

 ここのところ、家族が高熱をだしたり、また別の家族も体調を崩したり、また別の家族は…、自分は花粉などで頭痛がしたり、仕事内容に新しいことが加わって、毎日、夢の中でまで仕事に没頭していたり…、大きなことを言えば、世界ではミサイルがとびかって、空爆で生活が破壊されたり、日本でも…、いろんなことがあって、大小の、自分の手に追えないことが少なくない。それを真面目に受けとるたちだ。

 心地よさ100パーセントのこの場所にいると、

「まじで疲れた!という思いが、ふつふつとわいてきた。
「もう、帰りたくない!」と思った。

 しかし、当然だが、帰ってきた。バス道を通って寺に入るときに、朱色の欄干の橋を渡った。帰りにその橋を渡りながら、この橋がお寺と人が生きていく現世をつなぐ橋なのだなと感じた。自分は自分の場所に帰って、また、こまごまと動いて生きていくしかない。
 それにゲームと同じように…、人は経験値があがるものなので、どんどんタフになっているのだが。


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 山と渓谷に囲まれたこの地は、太古の火山活動によってできた室生火山帯の中心部だったのだそうだ。この穏やかな土地が火山だったとは!
 奈良時代末期に皇太子の山辺親王の病気平癒の祈願がこの地で行われ、卓効があったことから、国家のために建立されたという歴史を持つ。

 女人禁制だった高野山に対して、女性の済度をもはかる真言の道場として女性の参詣を許したことから“女人高野”と呼ばれてきた。

 はるか昔から、いろんな女人が、いろんな思いを抱いて、参詣したのだろう。まじで疲れた女性もいれば、それどころではなく、まじで深刻な女性も少なくなかったのではないかと思う。古来から、女性たちは、何を思って、室生寺の階段を歩いたのだろうか。そんな先人たちにも思いをはせた室生寺での一日でした…。






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Commented by mo8_a29 at 2017-04-27 00:15
室生寺に 行ってきたのですね!奈良なんですね。
女人高野の意味がやっとわかりましたよ。
石に刻まれた 仏様が個性的で飽きないです。仏様も女性のようだ。
しかし 家族がいるといろいろあります。命の洗濯という感じですね。私も一人で お寺でも行きたいな。
コチラだったら 鎌倉辺りかな…
Commented by tarukosatoko at 2017-04-27 11:38
> mo8_a29さん
「女人高野」というのは印象的な言葉ですが、どこなのか何の意味なのかも知らなかったんです。室生寺がある近鉄電車の駅に「女人高野」と書いていたので、ここがそうなのか…と。
和歌山の高野山は規模が大きくて、荘厳で、緊張感がみなぎっているのですが、ここは、静かで、こじんまりとしていて、清冽な場所でした。まさに、おっしゃるように!、“命の洗濯”でしたよ。
90歳くらいじゃないかというような、足腰も強くなさそうな方が、ゆっくりと急な階段を上っていかれるのには、尊敬の念がわいてきました。

鎌倉はずっと前に行きました。関東は最近はまったく行っていなくて、行きたいところがたくさんです。

それに、一人で出かけるのもいいもんですね(*^^)v

by tarukosatoko | 2017-04-26 00:30 | 番外編 | Comments(2)

本をペラペラ読むのが一番の幸せ。フィギュアスケートや映画、生活雑記もあり。


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