本読み虫さとこ・ぺらぺらうかうか堂(フィギュアスケート&映画も)

本をペラペラ読むのが一番の幸せ。フィギュアスケートや映画、生活雑記もあり。

AERA増刊『浅田真央』 伊藤みどり➡浅田真央➡、トリプルアクセルを継ぐ者たちの戦いは次のステージへ

e0337786_10264999.jpg

 浅田真央さんが引退を表明して2週間が過ぎた。最初はそうでもなかったが、最近になって、なにやら往生際の悪いことを考えたり、残念でならないという気持ちがわいてきていた。でも、昨日、真っ白なワンピースでお水を飲んだり、黒いスーツで宇野昌磨から花束をもらったり、「真央リンクを作りたい」という真央さんを見て、一気に、うれしい気持ちになった!

 書店で販売していたAERA増刊『浅田真央』を買って読んだ。真央さんのあの時の顔、この時の顔、なつかしい大好きな姿をうつしだした写真が次々とでてきて、そのほとんどを覚えている自分…。真央さんのお母様との話は、知らなかったこともあって、感銘を受けた。

 浅田真央さんの公式ブログでの引退報告の全文から始まり、これまでの写真と文章で浅田真央の歩んだ道のりを記録した冊子だ。引退会見の全文も掲載されている。これは保存版だ。


 ところで、引退会見で真央さん自らが言及した選手は、伊藤みどりさんだけだった。伊藤みどりさんへの特別に強い尊敬の念が感じられて、うれしかった。

「伊藤みどりさんみたいなトリプルアクセルが跳びたいと思って、ずっとその夢を追ってやってきたので、本当に跳べたときはすごくうれしかったですし…」

 そこから、NHKからの「トリプルアクセルに声をかけるとしたら、どんな言葉をかけたいですか?」の質問が飛び出してきた。この突飛な質問、暗くなってしまいそうな会見を一気にパッと明るくしてくれた(とわたしは思う)。

 真央さんの「トリプルアクセルに声をかけたい…、トリプルアクセルに声をかけるんですか?」に笑った。真央さんの「なんでもっと簡単に跳ばせてくれないの、って感じ」という答えもまた、明るかった。

 この冊子では、最後に「真央と私のトリプルアクセル」という、伊藤みどりさんへのインタビュー記事が載せられている。
 今のルールではトリプルアクセルは難易度のわりに得点が低いのでやろうとする人が少ないジャンプで、世界女王のエフゲニア・メドヴェジェワもトリプルアクセルなしで、世界最高得点を塗り替えた。

「それでも真央はトリプルアクセルを跳ぶことを選んでくれました。すごいことです。得点が高いから、跳べば勝てるから跳ぶんじゃない。真央の戦い方は、「誰もやらないことをやる」。自分で自分を鼓舞する生き方を見せてくれました。その心意気こそが真央のスケートだったと思います」

 さらに、「私が真央につないだトリプルアクセルのバトンは、日本の女子選手の誰かに受け継いでほしい」

 伊藤みどりさんの述懐に接すると、なんだか、幻のトリプルアクセルを受け継ぐ者たちの物語のようになってきた。採点競技の中にあって、採点とはリンクしない技を人々に見せて、それで人に一番大切なことを伝えるという…素敵なファンタジー小説のようだ。

 小さなことでもいい、誰もしないようなことをしようとする心意気があるかないか、自分を鼓舞する生き方をしているか…。来シーズンからはさらに、競技の見方が変わってきそうだ。

 でも、考えたら、フィギュアスケート選手もコーチも振付師も、ほとんどの人が、そんなふうに自分を鼓舞して生きているように見える。だから、フィギュアスケートが好きなのだ…



[PR]
by tarukosatoko | 2017-04-28 10:26 | フィギュアスケート | Comments(0)

by タルコフスカヤ・さとこ
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30