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ぺらぺらうかうか堂(フィギュアスケート&本&タイドラマ等&雑記)


本をぺらぺら読むのが一番の幸せ。フィギュアスケートやタイ・中国などのアジアドラア、生活雑記もあり。
by さとこ タルコフスカヤ
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映画『LION ライオン 25年目のただいま』(ガース・デイビス監督) インド少年の数奇な運命とGoogle earthとユニセフ

映画『LION ライオン 25年目のただいま』(ガース・デイビス監督) インド少年の数奇な運命とGoogle earthとユニセフ_e0337786_17373973.jpg

 いい映画だった。

 インドのスラム街で暮らす5歳の少年が、兄と出かけた先で迷子になり、回送電車で1600キロ離れたカルカッタに行ってしまう。言葉などの問題で、家族を見つけられなかった少年は、さまざまな危険を乗り越えて、外国に渡って、成長する。25年後に、地名もはっきりとしない状態から、長い時間をかけて、Google earthで故郷を探し出す!

 実話の映画化で、2016年、オーストラリア製作、119分。『英国王のスピーチ』の製作陣が中心となって製作された。

 主人公のサルーを演じるのは、2008年の『スラムドッグ$ミリオネア』に出ていたデブ・パテル。あの、忘れがたい厳しい映画の、あの男の子が大人になって…また、インドでの心細すぎる困難から脱出して成長した青年の役を演じていた。下の写真の、上が2016年の『LION ライオン 25年目のただいま』で、下が2008年の『スラムドッグ$ミリオネア』だ。同一人物だ。



「デブパテル」の画像検索結果



「スラムドッグ$ミリオネア」の画像検索結果


 恋人役にルーニー・マーラ、養母にニコール・キッドマン。共に熱のある演技だった。

 名演だったのは、サルーの少年時代を演じたサニー・パワールだ。生命力にあふれ、どこか前向きで、この子なら生き伸びられるかもしれないと思わせる力を感じさせる少年だった。

 初めのインドでの部分は、はらはらしながらも、家族の温かみがじんわりとしみてくるようで、引き込まれた。次のカルカッタの部分は『スラムドッグ$ミリオネア』を思い出させる、子供を子供と思わない非情な描写が見られた。わたしは前にカルカッタに行ったのだが、そんなことを知らないで、観光気分で呑気に行動していたことが恥ずかしい…。
 そして、オーストラリアの穏やかな暮らし…。でも、サルーは残してきた家族のことを思っていた。

 最後は、涙なくしては見られなかった。泣いた。サルーの思いもさることながら、養母の思いや、恋人の思い、インドの家族の思いなどが重なって、胸がいっぱいになった。

 映画が終わり、胸がいっぱいになったところで、「インドでは年間8万人もの子供が行方不明になっている」という文字、そしてユニセフへの募金先が画面に現れる!

 そのページだと思われるものを下にはっておく。青字はこのページの引用だ。


 『LION/ライオン~25年目のただいま~』(配給元:ギャガ株式会社)は、ユニセフ(国連児童基金)が全世界でその根絶に取り組む児童労働や人身売買、ストリート・チルドレンなど、子どもたちを脅かしている様々な問題を、5歳の少年の目を通して描きます。

これらの問題は、子どもの健全な発達を脅かすだけでなく、貧困の連鎖を生み、国の経済発展や社会の安定にも悪影響を及ぼします。


世界では…

  • 児童労働に従事する5~17歳の子どもの数が最も多い地域は、アジア・太平洋諸国(7,800万人、子ども全体の9.3%)。一方、児童労働に従事する子どもの割合が最も高い地域は、サハラ以南アフリカ(5,900万人、子ども全体の21%)。
  • 強制労働や結婚、家事労働、武装集団による徴用などで子どもが売買されています。
  • 世界中で200万人以上の子どもたちが施設によるケアを受けて生活していると推定されています。

出典:Marking progress against child labour - Global estimates and trends 2000-2012(ILO-IPEC, 2013)
UNICEF global databases, 2017


 ユニセフは、すべての子どもたちが守られた環境で暮らし、自分たちの可能性を最大限に発揮できるようにするため、以下に取り組んでいます。

  • 教育のアクセス拡大
  • 家族やコミュニティの認識の変革
  • 国家政策の策定支援
  • 現金給付を含む、家族に対する経済的なサポート
  • 子どもの保護システムの強化

世界中の子どもたちのための活動を支える、ユニセフ募金へのご支援をお願い致します。



 映画を見て、感動して泣いているであろう観客に、スクリーンの最後で募金を募るところが、問題と直結していて、なかなかなもんだ。これは映画だけの話じゃないんだ、あなただって子供の人生を救える活動があるのだ…と。たまには募金をせねばと素直に思った。

 そして考えたのは、そのような複雑なものを背負った子供を引き取る人たちのことだった。精神的にも、社会的にも、経済的にも、しっかりした人たちがいるのだな…と。自分などは、本当の子供を育てることに四苦八苦してきた。今だって、苦労している。身の回りでは、外国の子供を引き取っている人に会ったこともない。

 そういえば、フィギュアスケーターのフローラン・アモディオはブラジルで生まれ、幼い時に養子縁組でフランスに渡った。

 以前に見た映画『ニコラス・ウィントンと669人の子どもたち』↓も思い出した。ここでも里親が出てくる。第2次世界大戦開戦前夜のチェコスロバキアで、ナチスの強制収容所に送られようとしていた多くの子供たちを、イギリスに避難させたイギリス人の話だ。子供の命は助かるが、その親たちは強制収容所で亡くなった。のちになって、救われて大きくなった子供たちが集まって、ニコラス・ウィンストンに会って、感謝を伝える場面が映画にあった。


「ウィンストン 子供を救った」の画像検索結果



 ついでに、この映画の大事な部分といえば、Google earthの働きだろう。Google earthを見ればどこにでもいける(行ったような気持ちになる)と、映画の中で、主人公の友達が言っていた。今すぐにロシア旅行にはいけないが、Google earthでサンクトペテルブルグを歩いてみることにしよう。




by tarukosatoko | 2017-05-05 22:36 | 映画 | Comments(4)
Commented by mo8_a29 at 2017-05-09 17:59
こんにちは。
今でも インドの子ども達は貧困から労働しているんですよね。
アフリカでも子どもは労働している。
アメリカの移民の子どもたちもかつてはそうだった。ルイス・ハインの写真の中でこちらを観ている粗末な服を着ている子ども。(その頃は東欧からの移民)
「子どもは本当だったら、週末の聖書のテストのことくらいを心配して後は両親の愛と友達との遊びの中に暮らしているものなんです。」とMJ(黒人でマイノリティ)が言っていたのですよ。随分とイメージと乖離しています(T_T)
何したら役に立てるのかな。私も何かしなくちゃ…
ところでGoogle earthでサンクトペテルブルグに行けるのですね。
マリインスキー劇場にでも行ってみるかな(^^)
Commented by tarukosatoko at 2017-05-09 20:14
> mo8_a29さん、そういうことがあることを知ることは大事だと思いますよね。
何かの時にぱっと動けることがあるかもしれないから。
インドの最下層の子供たちのことは、『スラムドッグ$ミリオネア』で痛烈に描かれていて、
この映画は前向きに描かれていましたが、衝撃でした。
物乞いをするために、手足の骨を折られたり、目を見えなくさせられたりと、書いていても、怖くなります。

Google earthでサンクトペテルブルグに行ってきました(´・ω・`)
なんちゅうか…あ、そうですか(・へ・)っていう感じでしたね…。
マリインスキー劇場もたぶん見ることができるはずです!
エルミタージュ美術館にも行けましたから( `ー´)ノ
今度は、Googleearthでさいたまスーパーアリーナにも行くことにします。
なんかね…
Commented by dazaiosamuh at 2017-05-09 21:00
実話なのですね。面白そうです。島国である日本では考えられません。25年後によく故郷を探し出しましたね…。
恐るべしGoogle earth!!
Commented by tarukosatoko at 2017-05-09 23:29
> dazaiosamuhさん
映画の最後には、本人と実の母と養母が3人で抱き合っている映像があって、感動しました。Google earthはいい仕事をしましたね。
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