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本読み虫さとこ・ぺらぺらうかうか堂(フィギュアスケート&映画も)

平昌オリンピック ペア競技を見てもらい泣き! サフチェンコ&マッソ優勝、スイ&ハン、デュハメル&ラドフォードが続く


 ペアのフリーを見た。最後まで見て、優勝した選手も、優勝できなかったがメダルはとれた選手も、想定外のミスでメダルに届かなかった選手も、選手がいろんな状況でそれぞれに泣いていたので、たくさんもらい泣きした。ずっとシングル競技ばかり見てきたが、これからはシングルと同じくらいペアとアイスダンスを見ようと、心の底から思った。

 ペア競技は、二人の共同作業なのがいいところだ。究極の協調性は尊敬に値する。相手との距離の取り方が難かしそうだ。危険な技をたくさんするのだから精神的距離が遠すぎてもいけないし、かといって、近すぎても息苦しくて、続かないかもしれない。

 いつも一緒に練習しなくてはならないし、ひとりであってもメンタル部分は複雑なのに、二人なのでさらにややこしいだろう。自分がミスしたら相手に申し訳ないし、ミスを続けたら相手に心の中で叱責されていると感じるかもしれない。また、相手がミスをしたら、自分はどんな態度をとるだろうか。また、相手が怪我をしたら自分は健康でも試合に出られないし、自分が怪我をしたら、相手に申し訳なさ過ぎる。
 結婚までするカップルがいるが、それもたいへんそうだし、お互いにパートナーがいて、競技では命がけの技を二人でするという強い絆があるというのも、気にしたら、気になるのかもしれない。なにか…、そういうことはどうでもいいことで、もっと、何か、あるような気がする。今後、見ているうちに、いろいろわかることがあるのかもしれない。

 二人であわせて滑るということの美しさは、格別だ。ツイストリフトで男性が女性を放り上げて、回転した女性を受け止める技や、スロージャンプで男性が女性を放り投げて、回転した女性が気丈にもバシン!と着氷するあたりが、そのたびに、ため息がでるほど、感動する。それに、手や足の高さをあわせてそろった状態で滑っているだけできれいだし、同じ回転速度で同じ向きでするスピンもきれいだ。

 ペアの結果は以下のようになった。

1位 アリオナ・サフチェンコ&ブルーノ・マッソ(ドイツ)
2位 ウェンジン・スイ&ツォン・ハン(中国)
3位 メーガン・デュハメル&エリック・ラドフォード(カナダ)
4位 エフゲーニヤ・タラソワ&ウラジミール・モロゾフ(ロシア)
5位 バネッサ・ジェームス&モルガン・シプレ(フランス)
6位 バレンティーナ・マルケイ&オンドレイ・ホタレク(イタリア)

 アリオナ・サフチェンコ&ブルーノ・マッソはショートでジャンプにミスがあって4位だったが、フリーは完璧な演技で、優勝した。女性のサフチェンコは4度目の五輪で、ついに優勝を果たした。五輪で銅メダル2個、金メダル1個。一方、マッソは初めての五輪で金メダル。強く緊張していたが、みごとにやりきった。

 サフチェンコの五輪を振り返ると…、まずはスタニスラフ・モロゾフとのペアでウクライナ代表として、2002年ソルトレイクオリンピックに出場して15位(……その後、サフチェンコとは関係のない話だが、モロゾフはタチアナ・ボロソジャルと組む。引退後はボロソジャル&トランコフのコーチをしていた。ボロソジャルとは恋人関係でもあったが、破局)。

 モロゾフとペアを解消した後、ドイツ人のロビン・ゾルコーヴィとのペアで、ドイツ代表として2006年トリノオリンピックで6位、2010年バンクーバーと2014年ソチはともに3位。ゾルコーヴィが引退するため、11年にわたったペアを解消し、のちにフランス人のブルーノ・マッソと組む。そしてついに悲願の金メダルを手にした。
 今回、以前のペアだったゾルコヴィはロシアのタラソワ&モロゾフのコーチでキスアンドクライにも座っていた。かつての相棒だったサフチェンコの優勝を祝福したと言うことだ。


 ブルーノ・マッソは2006-2007シーズンまでは男子シングルのスケーターとして、ジュニアグランプリシリーズなどに出場していた。2012年国別対抗戦ではダリア・ポポワとのペアで出場した。2015-2016シーズンからアリオナ・サフチェンコとペアを結成した。

 アルマンド・アムール/マキシム・ロドリゲス「La Terre vue du ciel」の叙情的な音楽にのって、羽のようなやわらかなそれでいて芯のある演技だった。夢のように美しかった。マッソも今ではただの力持ちではなくて、動きも優雅になっていた。サフチェンコは34歳、マッソは29歳。優勝が決まったときには、サフチェンコはとても泣いていた。マッソもおいおいと泣いていた。それを2位と3位のペアが祝福する姿が美しかった。

 しかし、スイ&ハンの銀メダルは悔しいものだったのではないかと思う!1位との点差が1点もないのだ。前半の単独ジャンプでの二つのミスが響いた。ミスがなかったら優勝していたのではないかと思う。ウェンジン・スイは怪我から復帰したところだということなので、そのあたりが影響したのかもしれない。ちょっと力が入りすぎていたかもしれない。迫力では誰にも負けない中国版の壮大なトゥーランドットだった!!
 二人は22歳と25歳なので、まだこれから続けることができる。昨シーズンのブルースのような突き抜けたかっこいい作品を見せてほしい!

 演技の途中から、満面の笑顔を見せて、見る者をもとんでもなく幸福な気持ちにしてくれたのが、メーガン・デュハメルだ。ラドフォードとの揺るぎない信頼関係が見えてくるような、フレンドリーで深いユニゾンはかけがえのない人間関係の理想に思える。リフトのときに高いところで最高の笑顔を見せるデュハメルは無邪気な子供のようで、好きにならずにはいられない。フリーは2シーズン前の、アデルの声がしぶい「ホームタウングローリー」だった。

 そして、ロシアの大きな期待を背負いながら、スロージャンプで転倒があり、メダルをのがしてしまったのが、ロシアのタラソワ&モロゾフだ。点数が出たと同時にタラソワが下を向いて泣き、それと同時に優勝が決まったサフチェンコが泣き崩れた。失意と歓喜という真逆の感情で。ペア競技と言えば、かつてはソビエト連邦、ロシアのものだった。タラソワ&モロゾフはタチアナ・タラソワやアレクセイ・ミーシンなどの重鎮に、解説で叱責されるのだろうか。かつての不調のコフトンや、今回の団体戦のミハエル・コリヤダが言われたような調子で。ミハエル・コリヤダが団体戦ショートでミスを連発したときのロシアの応援席のコーチ陣の冷ややかな顔を見て、その冷たさに心が縮んでしまう感じがした。ロシアは厳しい。きっと、使命を帯びたに任務のようなものになっているからだろう。
 それだけ重いものであるなら、フリーの曲を中途半端な軽いものにせずに、浅田真央さんがいう「音楽が助けてくれる」ような、もっと説得力のあるものにすべきではなかったかとも思うが。

 ひとつ、明るいのは、イタリアのマルケイ&ホタレクの演技がとても上質で新しく良いものになっていたことだ。マルケイは女子シングル選手としてソチ大会に出場して11位だった。このとき、コストナー意外にもイタリアに素敵な女子選手がいることを知った。でも、ここまですごくなるとは、想像しなかった。これからに期待が高まる。


 そして、2月16日、男子シングルが始まる。

ウィンタースポーツ

つぶやき


Commented by yoripo at 2018-02-16 20:34 x
サフチェンコの金メダル良かったですね~( ;∀;)
スポーツなので純粋にその時の演技だけで評価されるもので、その選手の人間性とか背景のフィルターを通して観るべきではないと思いつつも、サフチェンコには金メダル取ってほしかったです。
スイ&ハンもサフチェンコが金メダルなら仕方ないと思えるのでは...。
平昌オリンピック後は、タラソワ&モロゾフ組と共に北京五輪まで競技を盛り上げていってほしいです。

デュハメル&ラドフォード組は団体で金とれたのだから個人はメダルとれなくても...と思っていましたが、なんと銅メダル!
この1週間で4回滑っているんですよ‼団体の他選手の応援もです。

それにしても、NHK全選手放送してくれないじゃないですか~(涙)
番組表の予定とと実際の放送時間も違うし...。
民放じゃないんだから、羽生君の練習風景放映するならその分一人でも多くの選手を放映してよ!(怒)

日本のフィギュア会のためにも、真央ちゃんペアに転向して現役復帰してくれないでしょうか?
そうしたらTVでペア競技もやってくれるのに。
相手はマッソ?!でもコフトゥンでもミーシャでも...。
(J・ブラウンだったら日本語出来るし帰化しやすいと思うのですが、もう少しシングルでの演技を観ていたいです)
サフチェンコは34歳で金メダルだし、V・マルケイさんもソチ後から転向して6位まで成長しているんですから‼

オリンピックは楽しいですが、毎晩興奮が冷めないため寝付けず、疲れます。
さとこさんも、くれぐれもご自愛ください。


Commented by tarukosatoko at 2018-02-19 17:13
> yoripoさん、
ペアのフリーが終わったあとの雰囲気はとても良かったですね。
サフチェンコがすごく泣いていたので、もらい泣きしましたよ。金メダルがとれて、本当に良かったです。スイ&ハンは怪我のあとで、たいへんだったでしょうね。でも、二人は強いので、この残念さを次のシーズンにつなげることでしょう!タラソワ&モロゾフは、転倒をして…、あれよあれよという間に演技時間が終わってしまいました。フリーの音楽がどうしてあんな感じだったのか…。

デュハメル&ラドフォード、1週間に4回も。五輪を満喫できたでしょうか。
しかし、これを最後に引退する選手が多そうで、さみしい限りです。
デュハメルの笑顔を、キスクラとか、別の立場の人になっていてもいいので、みたいです。

そういえば、今回のキスクラはシンプルです。

羽生君が勝ったあとの羽生君の金メダルの演技の再放送が、ものすごかったです。
何回同じものを放送するのかと思いました。それに、
「SEIMEI」はフィギュアファンのわたしは2年前や3年前にも「すごいっ!!」ということで、何度も動画なんかでも見てきたので、時間軸がへんになりそうな、不思議な気持ちがしましたよ(でも、衣装が2年前よりも豪華できらきらになっていて、きれいでした)。
表彰式も羽生選手をたたえるショーになっていましたね。
もっと、昌磨君や刑事君のがんばりをたたえる内容もあったらよかったですが
なんと言っても、66年ぶりの二連覇なのでね!
すごいことです。

マルケイさんを見ていると、真央ちゃんがしてくれたら、素敵だろうな…できるのかも…と想像しますね。やっぱり、大事な真央さんを落としたりしないだけの頑丈さを重視するとマッソですかね。もっと最強に頑丈なのは、ハオ・ジャンさんか!?
Commented by yoripo at 2018-03-03 21:20 x
さとこさん

オリンピック終わってしまいましたね。
私は時々「ジェイソン・ブラウンがこの舞台にいたらな~」という思いが過ぎりましたが、なんだかんだ楽しんでいました。

ペアのメダル確定の場面は感動でしたね。
サフチェンコが号泣して、隣のウェンジン・スイちゃんが控えめにもを撫でて、そのあとメーガン・デュハメルがハグをして、皆がハグし合って...。
ペアは最終滑走のタラソワ&モロゾフの得点が出た時点で控室?に居た3組がメダルだったので良かったですが、男子シングルは宇野君のメダルが確定した時点でボーヤン・ジンが歓喜の輪からそっと抜け出す姿が不憫でした。
メダルの可能性がある上位3人が待合室にいて、時々TVに映るシステムは残酷(罰ゲームの様)じゃないですか?

それにしても、タラソワ&モロゾフ組のFPは曲も衣装もオリンピックの金メダルのものではないですよね~。
オリンピックなので皆しっとりした曲を選曲するだろうから敢えて明るい曲にしたと、どこかの解説で聞きましたが、せめてSPとFP逆ですよね。
せっかくラフマニノフの素敵なプログラムなんだから無理やりSPにしないで、FPだったらたとえミスがあったとしても感動的に終わるのに...。
4年後はぜひSPが仮面舞踏会でFPはラフマニノフの鉄板プログラムで?!
Commented by tarukosatoko at 2018-03-05 20:02
> yoripoさん

そうですね、ジェイソン・ブラウンがいたら、男子シングルはもっとうるおいがある、柔らかさもあるものになったかもしれないですね。ジェイソンの笑顔があれば、きつい雰囲気が和らいだかもしれません。やっぱりジェイソンは大事な選手ですね。3月になってみても、全体の印象として、男子はつらいものがありました。

控え室はここ数年のものですね。
漫才の一位を決めるM1グランプリみたいだと思いましたよ。
勝利の瞬間も、敗北の瞬間も、どちらもかけがえがなく、大事な瞬間ですが、
選手にしたら、そっと迎えたいかもしれません。
知らないんですが、オリンピックで控え室がある競技ってあるんですかね??
ペア演技のときは歓喜の様子を見て感動しましたが。

タラソワ&モロゾフのフリーは意外性をねらったのですね。
パーフェクトだったら違ったかもしれませんが、ミスが出ると、とても厳しいものがあります。
タラソワ&モロゾフの仮面舞踏会、今度はフリーでのラフマニノフをみたいですね。

まだ世界選手権がありますが、来シーズンはどんなふうかなと考えるのも楽しいです。



by tarukosatoko | 2018-02-16 01:01 | フィギュアスケート | Comments(4)

本をペラペラ読むのが一番の幸せ。フィギュアスケートや映画、生活雑記もあり。

by タルコフスカヤ・さとこ
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