
親戚を訪ねた帰りに長崎原爆資料館に行ってきた。JR長崎駅から市電やバスで行ける場所にある。
入り口は前面ガラス張りのため、日光があたると暑いのですだれが全体にかけられていて、涼しげだ。台風が直撃する予報だったが、「台風が来ても、長崎はそれることが多い」と長崎の親戚が言うように、何の支障もなく行動できたし、夜は涼しかった。

ロビーで写真をたくさんとった。
すごい数の千羽鶴。これだけの鶴に触れると、圧倒される。鶴を折ったたくさんの人たちの「平和でありたい」という願いがストレートに伝わってくる。一方で冷たい意見がある。鶴を折ることは何の役にも立たない、もっと力を使う場所があるのではないかと。でも、核や戦争に対して、人ができることは何だろう。鶴を折る時間、人は平和を思う、その時間こそが大事なのではないかと初めて思った。小学生や中学生も。普通に安心して生活したいと願う人間の思いをつなぐ千羽鶴が、この場所で、平和を訴えている。千羽鶴は祈りが形をとったものなのだ。そうなんだな…と、初めてわかった。今までわからなくて馬鹿でした、と思った。

これらの作品はいろいろな色の鶴を組み合わせて、モザイクのようにして、絵を創作している。色合いがきれいだったり、素朴だったり、個性がある。

ずらっと並ぶときれいで、心があたたかくなる。

「NO WAR」という虹色の大作。外国の人たちの心にも届くように。

「へいわ」「平和」「平和」「平和」「平和」……、ひらがなもあれば、古書体のものもある。
資料館で配られていたパンフレットの内容を覚え書きとして、簡単に書き出しておく。
長崎に原爆が落ちたのは1945年8月9日午前11時2分。
原爆投下に長崎が選ばれた理由は、空襲の被害をあまり受けていなかったこと(原爆の威力を調べるのに都合がいい)、造船所や製鋼所、兵器製作所などの工場が集まっていたことが、あげられる。
アメリカが日本に原爆の投下を決定した理由は、多くの開発費や労力を投入して完成させた原爆を実際に使用し、威力を調べたかったという説、戦争が長引いて日本上陸作戦をすると多数のアメリカ兵が犠牲になるので、早く日本を降伏させるためという説、旧ソ連に対する戦争後の立場を優位にするために使用したという説などがある。
長崎に投下された原爆はプルトニウムが使われていて、「ファットマン」と呼ばれた。広島のものはウランが使われていて「リトルボーイ」と呼ばれた。
犠牲者の数は、1945年12月までの推定で、死者が73884人、負傷者が74909人。当時の長崎の人口が24万人で、死傷者が14.8万人。その後の後遺症などは数にはいっていない。
一時期、広島に家族が住んでいたことから、広島原爆資料館にも何度か行ったのだが、そのときに語り部の人たちから聞いた話は、強く心に残っている。
原爆ドームあたりから高度600メートルの位置で原爆が炸裂し、1900度から2200度以上の熱線が降り注ぎ、爆風は1平方メートルあたり20トン(35トンという説もあるが人間に耐えられない圧力、トラック何台分になるかと、語り部の人が具体的に話して下さった)の圧力を持ち、風速は440メートルだったという(台風の風速の100倍だろうか)。この熱線と爆風による破壊により、街が全滅したのだという。(広島でも長崎でも、その凄まじさを物語る展示が次々とあった。)
放射線による影響はその後からでてくるという。
ちなみに、原爆を投下した現場の当事者たちは、80代まで生きて最後まで原爆の正当性を覆さなかった人もいれば、帰国後英雄として迎えられたが精神錯乱が見られた人もいたという。その違いは、日本を自分たちよりも野蛮で下等な民族だと思うか、同じ人間だと思うかの違いだろうと推測する。
長崎の親戚の人が、必ず熱く語ってくれるのが永井隆博士のことだ。自らも重い傷を負いながら、投下直後から負傷者救護にあたり、原爆傷害の研究に献身的に取り組んだ医師で、今もその人の非常に小さな家があるので行ってみようということなのだが、そこには今回も行けなかった。
展示の一つ一つを見て歩きながら、たくさんの資料展示を読みながら、原爆で亡くなった人の無念さ、悔しさが身にしみた。命を粗末にしないでいたい、時間とか周りの人とか食べ物を粗末にしないでいたいと、しみじみと思った。
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