
この本を読むまでは、自分は80歳から90歳くらいの間に、成人病か老衰で死ぬのだろうと思い込んでいたが、それは甘い考えだったと気がついた。十年以上前からその脅威が言われている大ボスのインフルエンザがあった。H5N1強毒型鳥インフルエンザだ。
この本は、鳥インフルエンザの人から人への感染爆発が発生したときを想定して書かれたフィクション小説だ。平成21年に文庫本の初版がでているが、パンデミック、濃厚接触、PCR、予防のためのワクチン開発、飛沫感染、空気感染、患者の伝播の経路が追えない、不要不急の外出、公共交通機関の乗客がマスクをしている、集会の自粛、満員電車が感染を拡大しているのは明白な事実、潜伏期間、発症前からウイルスを出す、国境封鎖、空港での検疫、防護服と、今ではおなじみの言葉が次々とでてくる。
薬局が混乱して張り紙をだしたり、医療崩壊寸前の病院の通路に横たわる患者、医療関係者への感染などもでてくる。違うのは、鳥インフルエンザが強毒性だというところだ。このパンデミックが鳥インフルエンザのものだったらと想像すると、震える。
15年くらい前に「鳥インフルエンザの感染が広がったら、多臓器不全になるからめっちゃ怖い」と、本などをよみあさった義妹に聞いた。「鳥インフルに備えて、マスクを200枚くらい買った」と義妹は言った。毎日使い捨てるので、家族の人数×1ヶ月から2ヶ月分で200枚という計算になる。子供もいるし、ありうることだと思い、そんならと、わたしもマスクを200枚買った。
義妹は「ダチョウの卵の成分を使ったマスクが効果があるらしい」とも言った。へええと思っていたら、そのダチョウの関係のフィルター付きのマスクが通販生活で販売されるようになり、それも義妹と一緒に買った(今は売っていないようだ)。さらに「外出するときは防護服が理想なんだけど一着が1万円くらいするし、一回着たら捨てないといけないから、買えないよ…」と義妹は寂しげに言った。「宇宙飛行士が来ているような服かな」とわたしが言うと「そんな感じの」と義妹は言った。
今、アマゾンなどで見ると、防護服がたくさん売られている。数千円で売っている。洗って繰り返し使えるものもある。義妹に「防護服売ってるよ」と知らせたが、さすがに買わなかった。わたしも買っていない。
今回、15年前に200枚あったマスクは風邪や花粉症のために大半を使ってしまっていた。でも、これから買っておいたほうがよさそうだとこの本を読んで思った。ただ、マスクが有効かどうかはわからない…。
また、覚え書きとして、本文のなかから抜き書きをしておく。
「インフルエンザウイルスが活発化しやすい、気温20度以下の季節」
「20世紀に起ったスペイン風邪(H1N1・1918年)、アジア風邪(1957年)、香港風邪(1968年)といった過去の新型インフルエンザはすべて、弱毒型の鳥ウイルスに由来していた。全世界で4000万人から1億人、日本国内で45万人以上を殺したとされるスペイン風邪でさえ、〝弱毒型〟のウイルスであった。これに対し、1997年香港で発生したH5N1型強毒型ウイルスのヒトへの感染は呼吸器感染症に終始する通常のインフルエンザの常識を超えて、多臓器不全という重症な症状と高い致死率を伴う、全く新しい疾患をもたらした」
「乳幼児や老人相手に猛威を振るう普段のインフルエンザと違い、青年や壮年層で、この強毒型ウイルスは重症化する傾向が認められた」
「サイトカインストーム(免疫の過剰反応)による多臓器不全」
「WHOの「新型インフルエンザパンデミック警戒フェイズ」の1から6にあわせ、発生の段階を6つに分け、その段階ごとにとるべき対策が整然と一覧表になって公表されている」
「WHOとは、1946年にニューヨークで設立され、スイスのジュネーブに本部を持つ国際保健機関だ。加盟する世界132カ国が協力し合い、〝健康は人間の基本的人権〟と位置づけ、病気の撲滅や適切な医療などのために活動する権威ある機関である」
「PCR法によるH5ウイルスの遺伝子検出検査が行われることになっている」
「サーモグラフィーによる発熱者の検出」
「感染事故防止はもちろん、PCRはわずかな気の緩みからコンタミ(ウイルス感染)を起こす危険性もある」
「サイトカインストームによる若い世代の重症化の危険性」
「流行が始まったときに、速やかに円滑に備蓄のタミフルが地域の医療窓口まで配布されなければならないはずだ」
「「地域の薬局にも薬の在庫が不足しています。地域の現場に一刻も早く出してください」「これから会議で話し合われてから、お答えすることになりますので…」」
薬局に重症の患者などが行列をしているので頼んでいるのだが行政は今から会議で話し合うという、実際に起りそうな話だ。何よりもパンデミックが発生する前に話し合って準備して、起ったら迅速に動くことが理想なのだろう。
このあたりは原発事故に通じるものがあると感じた。起こりうる破局的な事態に対して万全の準備をしないでいて、いざ起ると大混乱と大きな被害が出るという状態だ。
「海外での発生を受けてすぐに、この町の独居老人世帯のすべてにその日一日で配られた非常袋には2週間家から出なくても最低限持ちこたえるための缶詰やチョコレートなどの食料パックがセットになって入っており、さらにスポーツ飲料の粉末、おかゆのパックなどの体調不良を伴った時に役立ちそうなものも入っていたというのだ」
「入院は不可能、病院は満床、医師看護婦が倒れて診療困難」
「疫病の流行によって乗組員が倒れ、幽霊船になったという古い伝説が、新型インフルエンザによって、現代によみがえった」
「過酷な現実であるが遺体は危険な感染物」
「2ヶ月に120万人がなくなる」
「すべてが事前準備と事前理解にかかっており」
この本の内容をそのまま人に話したら、今のパンデミックを経験していてもなお、完全には相手にされないだろう。人は恐ろしすぎる話が大嫌いだ。でも、一人でかかえているのはしんどい。15年前にこのような情報を手に入れた義妹は孤独だったことだろう。そこで、本を貸し借りしている同僚に「こっちの本のほうが読みやすいから、読んでみて~!(^^)! 感想を聞かせてね~」とこの本を貸し出すことにしている。話し合える仲間をふやそう…
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