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ぺらぺらうかうか堂(フィギュアスケート&本&タイドラマ等&雑記)


本をぺらぺら読むのが一番の幸せ。フィギュアスケートやタイ・中国などのアジアドラア、生活雑記もあり。
by さとこ タルコフスカヤ
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プリンスアイスワールド2021 横浜公演 クールな女性キャストたち & 「ジャパネスク」 & 真摯な田中刑事


 プリンスアイスワールド2021横浜公演の録画を繰り返し見ている。町田樹と板垣アナウンサーの解説もじっくりと聞いている。キャストの人たちの全身、特に肩の辺りから、滑る喜びみたいなものが、あふれているのを感じる。2020年は公演が中止になってしまったのだから、感慨はひとしおだろう。とても生き生きとしている。

 女性たちのBad Guyという群舞が、クールで力強くて、かっこよかった。プリンスアイスワールドチームは、男性ももちろんだが、女性スケーターたちが、ものすごくかっこいいアイスショーだと思う。

 特に好きなのは、「ジャパネスク」という作品だ。女性たちがゴージャスな花魁の着物姿で出てきたり、羽織袴で提灯をもって男性が出てきたり、子供のような短い着物の女性たちが長いリボンをくるくるさせて滑る。廊下くらい幅がありかなり長い布を滑るスピードで風になびかせながら滑るのも圧巻だった。絢爛豪華だ。

 アイスタップという氷の上でタップダンスのように音を立てて滑る群舞は、衣装が体操服のような上下で下は半ズボン、なかなか新鮮だった。ゲストスケーターも小学生のような半ズボンででてくるのだが、板垣アナウンサーが「鍵山選手は似合っているように思います」というようなことを言ったのが、おもしろかった。

 その鍵山選手は2020-2021のショート「Vocussin」を滑ったが、これが素晴しかった。4回転3回転の連続ジャンプを2回にトリプルアクセル、後のインタビューでは「世界選手権よりもいい出来でした」ということだったが、町田樹も、印象的な振付け部分をばしっと決めたり、さらにもっとブラッシュアップしたら、代表的な作品になるというようなことを解説していた。なるほど、確かに。

 樋口新葉もライオンキングを情熱的に演じていて、円熟味を帯びてきたなあと思った。シェイ・リーン・ボーンのリモートでの振付けで、感情表現の部分までは指導されていないので、これからということだが、町田樹によると「もう十分できている」とのこと、なるほど、確かに。トリプルアクセル、がんばれ!

 そして、友野一希がすごかった。初めて自分で振り付けたそうだが、友野一希のいいところが出ていて、最近の中でも一番よかった。踊りの達者さが光るところはミューシャ・ジーに少し似ているが、ミューシャ・ジーよりはコミカルで軽やかな感じだ。他の場面では、アレクセイ・ヤグディンのような超絶超絶トウステップを見せて、今はトゥステップは点数につながらないのでしないのだそうだが、すごかった。

 そして本田姉妹の二人は、本当に大人になっていた。顔つきが変わっていたし、それぞれの長所を伸ばしていた。本田望結は演技が出来るし、本田真凜は以前よりも随分うまくなっていた!名前が同じ本田武史は「リバーダンス」。現役時代の「リバーダンス」はすごかった。今の本田武史もやっぱりスケートが特別にうまい人なのだと改めて思った。

 荒川静香は、10年近く前に神戸のアイスショーで実際に見たネラファンタジアを滑った。見る者が浄化されるこの作品は、コロナで弱った心を癒やす。肘のあたりにひらひらした布がついた天使のような衣装もそのままだった(と思う)。2006年に五輪の金メダリストになってから15年、今もレベルを極端に落とすことなく、高いスキルを維持しているのはさすがだ。

 あちこちでエアリアルの部分があり、輪につかまって宙に浮くのだが、命綱もなく、ちょっとはらはらした。以前にイモトアヤコが挑戦していた体に紐をまきつけて宙に浮くエアリアルを男性スケーターがしていたのも、ドキドキした。

 そして、このアイスショーの大きな見所は町田樹の継承プロジェクトの第1弾、田中刑事の「Je te veux」だった!
舞台はパリ、たばこの吸い殻を道ばたに捨てることが問題がなかった昔のパリだ。田中刑事のパリの男は、水もしたたる真摯なダンディな色男であった。女性が去った後は心底傷ついているようで、痛々しかった。失恋の叙情がほとばしっていた。高橋大輔とのナルシスと、町田樹とのパリの男、田中刑事が光をぐいぐい増した2021年の春だった…


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by tarukosatoko | 2021-06-08 20:43 | フィギュアスケート | Comments(0)
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