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NHKスペシャル「〝絶望〟と呼ばれた少女ロシアフィギュア・ワリエワの告白」 17歳のワリエワが語る



 北京オリンピックは2年前になってしまったが、今、北京オリンピックフィギュアスケート団体戦のメダルをめぐって、カナダが提訴した。ROCを4位にしてカナダを3位にと訴えている。えええ、ROCの失格を求めるのではないのかと、最初に思った。高校野球などで部員が不祥事を起こしたら、部活自体が自粛する、そんなものだと思っていたが、ドーピング問題は、組織のありようは追求できず、カミラ・ワリエワ個人の責任ということが固定されてしまったようだ。

 そんな中でNHKスペシャル「〝絶望〟と呼ばれた少女ロシアフィギュア・ワリエワの告白」が放映された。

 2023年の10月、モスクワスケートアカデミー。リンク内側の壁には大きく「♯teamtutberidze」の文字が。エテリコーチとグレイヘンガウス、ドゥダコフコーチがかつてのように、強固にそろっている。ワリエワは17歳になって、9㎝身長が伸びて体重増加もあり、トーループやサルコウの4回転ジャンプに苦戦している。ロシアは今もフィギュアスケート選手の育成に巨額の資金を投入しているので、15歳以下の後輩が頭角を現し、特に16歳のマライア・ペトロシアン選手はワリエワが習得していない4回転フリップをショートプログラムに入れている。
 ワリエワは練習をしているがドーピングの裁定待ちで、かつての精彩はない。極限まで体重を落とし高難度ジャンプをいくつも跳ぶという、ロシアの選手としてのピークは終わりが見えている。後輩が4回転ジャンプを軽々とこなす横で、4回転ジャンプで転倒し続ける。ワリエワの立ち位置、厳しすぎる。見ているだけで心が痛い。痛ましい。
 それでもワリエワは「(ワリエワは選手としては終わりだという人がいるが)わたしが自分の中で耐えられると思うと、耐えるし、がんばるしかない」「自分にはスケートしかないと考えていて、スケートが楽しいから続けている」と毅然としている。なんとか4回転ジャンプを取り戻し、昨年末のロシア選手権では3位にとどまった。

 でも、その結果も無効になる。ドーピング検査で陽性になった2021年12月から4年間、2025年12月までワリエワは試合出場が禁止された。優勝につぐ優勝の、出場した試合の結果も無効になった。再び試合に出られる時には、ワリエワは19歳だ。そのとき、ロシアは国際試合に復帰できているだろうか。ウクライナへの軍事侵攻は終わっているだろうか。

 ワリエワにしたら、とてつもなく理不尽なことだ。自身のドーピングで制裁を受けるのは道理だが、ドーピングを推進した組織は影に隠れたままだ。水面に出た部分だけを罰して、巨大に広がる水面下はそのまま。

 こんなひどいことがあるのか。番組をみたあと、夫が「プーチンやな」と、わかったふうに言った。ロシア女子のスケートが大好きだった自分は、ずっと心の小さな一部が呆然としたままだ。



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Commented by yoripo at 2024-03-09 20:49
さとこさま、こんにちは
この番組、テーマがはっきりせずぼやけていませんか?この番組に出演して、見て、誰にメリットがあるのでしょう?
初めはなぜ、この時期に、NHKがワリエワの特集番組をする意味があるのだろうか?と疑問で見ませんでした。
しかしトゥクタミシェワもインタビューで出演していると知り、再放送を見ました。
はっきりとわかったことは、エテリのクラブでは大人の体型になると4回転ジャンプが跳べなくなること、ウクライナのスケートリンクが直撃されたこと、トゥクタミシェワの素顔は年相応でとてもかわいかったこと、でしょうか...。
ドーピングに関して掘り下げる訳でもなく、うやむやのままですっきりしません。特集番組をやるならば、イワン・シュムラトコではないですか?
Commented by tarukosatoko at 2024-03-11 10:12
> yoripoさん
こんにちは。
たぶん、はっきりと主張を前に出すと、思いもよらぬご意見とかクレームとかが出てきて、ネットで大騒ぎになって、その対応にへとへとになる…と、困るので、こういうもやっとした番組になったのかなとわたしは思いました。今は何事もクレームを想定して、クレーム被害に遭わないように作ってしまうので、身の回りのありとあらゆるものが、なにもかもがそうなっているように感じます。もやもやした世界です。
おっしゃっているように、背景を知らない人が見たら、どういうことなのという内容です。とはいえ、この問題に触れたことだけでも、価値はあるのかと思います。エテリやワリエワに直接話を聞いたことは貴重です。それがまっすぐに真実ではなくても、ロシアの闇が行間に…。

そうそう!トクタミシェワ、映像に現れたときに、「滑りがこんなにきれいで魅惑的だったんだ」と、まっさきに思いました。素顔のトクタミシェワはかわいかったですね。ロシアでも国内で大きな試合が開催されてきたが「キャリアが長く国際大会の勝利ノ感覚を知る私には物足りなかった」、と。ミーシンの姿もありました。

あと、イワン・シュムラトコ、「ロシアのミサイルは近隣の施設ではなく、リンクにまっすぐに飛んできた。リンクへの直接攻撃だ。ウクライナの中でも最高のスケートリンクがない」と。ドネツク州にあるリンクの天井の真ん中にミサイルが落ちたであろう穴が大きくあいていました。廃墟のようになっていました。書いておられるように、ここが一番、真実でした。シュムラトコはロシアの選手が出場する試合には出ない、と。「私の国にミサイルやロケットを着弾させている国の人だ」と。書いておられるように、イワン・シュムラトコで真実を伝える番組を作ってほしいし、視聴者に伝わるものが大きいと思います。
by tarukosatoko | 2024-03-05 10:09 | フィギュアスケート | Comments(2)

本をぺらぺら読むのが一番の幸せ。フィギュアスケートやタイ・中国などのアジアドラア、生活雑記もあり。


by さとこ タルコフスカヤ