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『蒼穹の昴・3』(浅田次郎) プレジデント・リー





『蒼穹の昴・3』(浅田次郎) プレジデント・リー_e0337786_21252228.jpg


 李鴻章(リホンチャン)、プレジデント・リーという、かっこよすぎる、すごい人がずっと出てきていたのだが、それが、歴史に出てきた李鴻章(りこうしょう)だと知って、史実と密接にリンクしたことで、心が高まる。香港が1997年にイギリスから中国に返還されたときには、抵抗運動などがあったことが記憶にあるが、「99年後に返してもらう」と交渉したのが李鴻章だったと知った。渡してしまわずに返してもらう、その知略、ぎりぎりの策略、すごいやん、李鴻章。しかし、99年後の返還は大問題なのだが。

 落日の清国、歴史の激流を描いているので、漢字が多くて内容も展開が多く、ぼんやりと読んでいると途中で読み直すことも多々あったが、非常におもしろかった。その激流を生き抜く個人も描かれていて、なんか、ものすごい。立派な小説。

 お正月だけ出してくるお盆や重箱やお皿、松や菊の花、門松、鏡餅とその周辺。物なのだが、その中に歴史を含んでいる物達。浅田次郎もそういう作家だ(暴論ですが)。今の小説とは違う、格調高さ、歴史を背負った語彙と言葉使い、重層的な、行間に気の遠くなるような深さを持つ、そういう小説だった。母のホームにいる見るからに聡明で知的で姿勢のいいイケメンのおじいさんのような(ホームにいるのは一人で生活できない認知症とかのたいへんさもある高齢者なのだが、その人達も、歴史を背後に背負っていて、昭和初期の小説のような深いたたずまいをしておられる)。

 今は何年ぶりかに出してきたこたつで、夜に浅田次郎を読みながら寝落ちするのが幸せな冬です。



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by tarukosatoko | 2026-01-03 11:28 | | Comments(0)

本をぺらぺら読むのが一番の幸せ。フィギュアスケートやタイ・中国などのアジアドラア、生活雑記もあり。


by さとこ タルコフスカヤ