ミラノ・コルティナオリンピック2026フィギュアスケート男子シングル、じっくり観た。
個人出場のロシアのピョートル・グメンニク。プログラムを見た印象が、9月の五輪最終予選で見た時と、なんか、違う。著作権問題がクリアになっておらず、「パヒューム」の曲が使えなくなり、「ワルツ」に変更。それが二日前だったと。「パヒューム」は衣装と曲があいまって、めっちゃよかったのに、「ワルツ」がなんとも上滑りした印象に。二日前なのだから仕方ない。
ウクライナ侵攻をやめないロシアと、その同盟国ベラルーシの選手20人は、入場行進を認められなかった。選手は中立の立場として出場しているとはいえ、選手の育成にロシアの強力な力が働いていることはあきらか。国を背負って出場しているのだ。
また、パレスチナ自治区ガザを攻撃したイスラエル選手がブーイングを受け、ベネズエラを攻撃し移民を攻撃しているアメリカからのバンス副大統領にもブーイングが。
2022年北京オリンピックは、最大の敵はコロナ感染症だった。オリンピックの最終日あたり2月24日に、ロシアのウクライナ攻撃が始まったから、4年、戦争は終わらなかった。感染症が最大の敵のほうがよかったか、いや、どちらも最悪。疫病も、戦争も、飢餓もない世界、2030年オリンピックにはそれが実現…するなんて思う人はいないと思うが、非現実的でもそれを願う。願うのは自由だ。なんでも願える。だから願うことにする。ここで力むのもあれですが…
とはいえ、グメンニクは素敵だった。ロシア人の風貌、ロシア人のスケート、細々した振付け部分に、ロシアがちりばめられている。プログラムを終えて「ああ、これがロシアだ」と思う。技術点は高かったが演技構成点が伸びなかった。「さらに高いスケーティングスキルが必要ですね」と町田樹さん。解説の人も「スケーティングスキルですね」と、ばっさりと解説。
アイスダンスと男子シングル、町田樹さんの解説が、このオリンピックのフィギュアスケート競技を何倍もおもしろいものにしている。実況解説者の人も、的確な解説と同時に、町田さんのすばらしい聞き手になっている。プログラム曲の由来を解説、選手の今の状況も解説、ターンの種類を解説、それぞれの動きの細かい部分でレベルがあがる要素を解説、あと、「へええーーーー、そういうことがあるんだーーー‼」という内容が満載。町田先生の下準備、ものすごい労力がかかっていると思う。女子の鈴木明子さんの解説も、すごくいい。高橋成美さんの解説もすごくいい。
続いて、アメリカのナウモフ。解説によるとご両親を飛行機事故で亡くされたそうで、普通なら転倒するジャンプをふんばり、強い気持ちがばしばし伝わった。キスアンドクライでは幼いときのナウモフ選手とご両親の写真を持ち、祈った。「本当に素敵な演技でした、おめでとう」と町田さん。はあああ、心の真ん中に刺さる愛の解説。
このときは、振付けのブノワ・リショーがアメリカチームの上着を着ていた。団体戦ではフランスチームの上着も着ていた。男子シングルでも、何度も振付け師とコーチとしてキスアンドクライにいて、それぞれ違う上着を着ていた。何着の上着を着るのか、数えると五着は確実にこえる。
スウェーデンのアンドレアス・ノルデバック。フリー進出を逃してしまったが、曲と滑りがかっこよかった。ブルースのギターの音色が最高。連続ジャンプが一回転二回転になってしまった。ショートは1つのミスが運命を決めてしまう。「おしゃれでクールなプログラムでした」と町田樹さん。もう…、最後に真実のあたたかみのある感想を言うところが、ものすごいツボだ。
メキシコのドノヴァン・カリーリョ。アシュリー・ワグナーも滑った「ヒップヒップチンチン」。ここで「田中刑事さんも滑った曲です」と田中刑事の名を入れてくる町田さん。おおおー、もう、最高すぎる。四回転トーループ三回転トーループの連続ジャンプを決めたら「すごい」と町田さん。なんかもう、町田さんの解説こそ、「神」と呼ぶにふさわしい。ステップもすごい声援で、大人気。「ショッピングモールのリンクで長く練習していました」と解説者。おおそうなのか~、テレビを観ている人は俄然、ドノヴァンを好きになる。実況の人も最高。
カナダのコゴレフ。キスクラのブノワ・リショーはカーキ系の緑の上着。
ウクライナのキリロ・マルサク。ウクライナのリンクが破壊されて今はフィンランドで練習しているそうだ。国防の最前線で働く父に背中を押されて五輪に出場。きれいな4回転サルコーで始まり、息をのむ、心をうつ美しい演技だった。「たくさんの人の支えでここまでこれた」とマルサク選手。「鳥肌がたちました」と町田さん。「戦争、最前線で働くお父さんのことや絶対に心穏やかでいられないはず」というような内容を町田さん。観ている人も、戦争で苦しむ人に思いをはせる。自己ベストを10点以上更新した。
ポーランドのウラジミール・サモイロフは、26歳で、アラン・ドロンのような顔だった。色気のある演技というのか、もともとはロシア人のようだ。4回転サルコーはすごく高くで、ゆっくりな回転。軸が細くて見えないほどはやくまわるジャンプが多いが、こういうジャンプはなかなかない。
ボーヤン・ジンはノーミス‼心にじんわりとしみてくる演技。今も顔を上に向けてするジャンプ。ボーヤン・ジンの12年がペラペラ漫画のように脳裏をかけめぐって、泣く。本当に素敵な選手だ。2014年の「ヒックとドラゴン」で衝撃の4回転ルッツをみせてから12年、2020年ごろからうまくいかないことが続いて、つらい時間が多かったと思う。そこに立ち向かい乗り越えようとした人だけが得られる表現力が発揮された。「続けることは尊い」と、ボーヤン・ジンの姿は語っている。衣装がぶかぶか気味なのは、やせたからだろうか。
アゼルバイジャンのウラジミール・リトヴィンチェフは、トレードマークの前髪をすっぱりと上にあげて、うしろで髪の毛を束ねて、顔全体を見せていた。直前のプログラム変更があったらしく、苦戦。フリーに進出できないのは無念だろう。
韓国のチャ・ジュンファンが氷上に現れたときは、うわあああ、すごいかっこいい人が出てきたーーーーーと、インパクトがものすごい大きかった。ノーミスの演技。ジャンプもすごいが、ステップのキレとノリ、高度さは「(大会で?だったかな)一番クオリティが高い」と町田さん。
要素をするたびに、「きゃあああああ」と黄色めな歓声が沸く。何回も。何かするたびの「きゃああああ」は高橋大輔の定番だったが、ジュンファンも。3度目の五輪。どの五輪も、すごかった。フリー、がんばれー。
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